SCOPE GROUP Sustainability

SCOPE GROUP SDGs未来塾 第1回「店舗SXセミナー」を開催しました。企業は教育者 サステナビリティへの取り組みを加速するために

■「SDGs未来塾」 がスタート!

記念すべき第1回とし、9月1日(木)、サステナビリティの実践で店舗経営を変革させる「店舗SXセミナー」を開催しました。『スウェーデンに学ぶ店舗サステナビリティの実践』と題し、環境やサステナビリティをテーマとしたコンサルティングをてがける株式会社ワンプラネット・カフェのエクベリ聡子さん、ペオ・エクベリさんを講師にお招きし、スウェーデンの小売店舗における基本的なサステナビリティの考え方、および具体的な実践事例を紹介しました。

東京とスウェーデンをライブ中継

セミナーは、東京の聡子さん、スウェーデンのペオさんをオンライン中継して展開しました。

(写真:zoomウェビナーの画面より。聡子さんのいる東京は9月1日夕方4時半。ペオさんのいるスウェーデンは日本よりも7時間遅れた同日の朝9時半。)

今回のセミナー内容は、「スーパーを覗くとその国のサステナビリティの状況や進捗が分かる」ということに着目し、スウェーデンの先進事例をみていくというものです。まず大前提となる国連のサステナビリティの定義やSDGの17目標など基礎知識を確認しました。

当日のセミナーでは、SDGsの詳細目標である169のターゲットから例をあげて、スウェーデンの具体策を聞くことができました。「再生できる資源をどのような方法で回収するのか」。資材となるごみを回収する体制は万全です。デポジットコーナーが主にスーパーマーケットの一角に設置されています。「おいしい魚を食べていくことができるためにも漁業や生態系をどうやって守るのか」。レッドリスト(絶滅危惧種)の魚は売らない店舗もあるそうです。

詳しい説明と写真で実際の様子を知ることができました。

このように、国として社会全体がエシカル消費に取り組みやすくなっています。そして、生活者の価値観、ビジネスの強みも変わってきています。生活者は、スーパーへの来店で店舗入り口などに掲示されている数々の認証マークをいつも身近に見て、それらを手掛かりにエシカルな買い物をします。また街中で、肉を使っていないハンバーガーの広告を見て、価値あるものだと感じています。スウェーデンでは「企業も教育者」と言われており、これらはその好事例と言えます。

マーカス店長が案内 スーパーの中をライブ見学

セミナー中盤で、スウェーデンのゴットランド島にある大型スーパー「Stora COOP,Visby(ストゥーラ・コープ・ ヴィスビー)」のマーカス・ウォーグレン店長が登場しました!

COOPはスウェーデン国内に800の店舗を持つ大手スーパーチェーン。マーカスさんは2017年にStora COOP,Visbyの店長に着任し、2018年から2022年の4年間でこの店舗の食品ロスを90%以上削減しました。店長に就任した年、競合であるもう一つの大型スーパーチェーンのサステナビリティが進んでいないことをビジネスチャンスであると捉え、それ以降、実施した対策はなんと80種類もあるそうです。マーカス店長は、スマートフォンを片手に、ライブ配信で店舗内を案内してくれました。画面に映し出される光景は、まさに循環型売り場のお手本です。日本のスーパーではまだやっていないであろう取り組みをリアルに見ることができました。店舗の取り組みの中でもペオさんイチ押しのパン売り場での対策は、食品ロスを50%削減したそうです。

企業は生活者を啓発し続ける教育者

スウェーデンの店舗のサステナビリティのレベルはとても高く、生活者の意識を高める啓発をやめません。そして現状は、生活者はエシカル認証のラベルを参考に買い物をするのが広く浸透しています。生活者がどれくらいエシカルな買い物をしたかを確認できるレシートを発行している店舗もあります。

(写真:レシートではエシカルな食材にマークがつく)

日本でもSDGs達成のためにはパートナーとの連携が欠かせないことは周知されていますが、「企業は教育者」という世の中にするには大きなインパクトが必要で、それは一企業だけでは出せないものでしょう。ペオさんは、昨今では成功事例がたくさんあるため、今後10年は世界のSDGs達成のための取り組みは加速すると予測します。私たち日本人は、スウェーデンのサステナビリティの先進性、具体策に圧倒されているばかりではいけません。

VOICE

聴講者からは、「環境先進国スウェーデンのスーパーの取り組みがわかり、勉強になりました。資源物回収について、もう少し詳しく話をお聞きしたかったです。」「生活者の関心の高さと“企業も教育者”という意識を知り日本は10年以上遅れていることを実感。ビジョンを決めて自身も楽しみながら有言実行したいと思います。」などの感想がありました。

次回の店舗SXセミナーは、食品ロス問題のジャーナリストである井出留美さんを講師に迎え、10月5日(水)に開催予定です。皆様のまたのご参加をお待ちしております。スコープグループは引き続き、「企画で未来を変える」をスローガンに、サステナビリティ推進と、社会課題の解決に邁進してまいります。

講師・ゲスト プロフィール/日本の皆様へのメッセージ

エクベリ聡子さん 株式会社ワンプラネット・カフェ 代表取締役
「社会の課題を知る、ニーズを知ることが重要です。これを何とかしないといけないとき、底力が出ます。169のターゲット(詳細目標)のツールも役立ちます。ビジネスに生かしてください。」

ペオ・エクベリさん 株式会社ワンプラネット・カフェ 取締役 サステナビリティ・プロデューサー
「有言実行が大切です。行動することによって、自分もより経験を得ます。その経験から、社員やお客さま、社会に伝えやすくなります。ところで私は今日フェアトレードやオーガニックの服を着ています。まず行動してみましょう。」

マーカス・ウォーグレンさん Stora COOP,Visby(ストゥーラ・コープ・ヴィスビー)店長
「できることは、すぐにやってください。環境に良いものをすすめてください。目標・ビジョンはなくてはいけない、100%グリーンエネルギーにするなど決めてから、社員と一緒に楽しんですすめてください。」

関連URL 株式会社ワンプラネット・カフェ様: https://oneplanetcafe.com/