SCOPE GROUP Sustainability

ポストコロナは地方の時代。地方活性化の新たな挑戦。

スコープグループの 株式会社 賑わい創研(代表取締役 松本大地)は、『リアルメリットを生かした価値創造』をテーマに持続可能な「集い×賑わい」をつくる会社です。また、会員制サービスとしてセミナーや国内外での研修会を行っています。今回は、8月に行われた『NIGIWAI LABO Webセミナー』の内容をダイジェストでご紹介します。

第4回NIGIWAI LABO Webセミナー 2020.08.26ダイジェスト

新型コロナのさまざまな影響で、働き方の新しいスタイルのテレワークも広がり、大都市に集中していた人々や企業の地方都市への分散化が見え始めています。地方活性化に悩む行政やまちの人々にとって、この状況は大きなチャンスであると賑わい創研代表の松本代表は提唱しています。この日本社会の大きな変化を捉えて、持続可能なまちづくりに動くヒントを探るべく、革新的な手法でまちづくりを成功させているお二人を招いてウェブセミナーが行われました。今回はSDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」の視点でセミナーのポイントをまとめてみます。

ゲストプロフィール

株式会社オガール 代表取締役 岡崎正信氏(写真中央):家業を継ぐため紫波町に Uターン後、『岩手県紫波町オガールプロジェクト』で公民連携の成功事例として全国的に注目を集めています。書籍監修『新・建設業 まちを創る会社はこうしてつくる』、共著『民間主導・行政支援の公民連携の教科書』があります。 株式会社オガール≫

株式会社machimori 代表取締役 市来広一郎氏(写真右):『衰退一途の観光都市であった熱海』が奇跡の復活を遂げた街づくりの仕掛け人。カフェ(現在はシェア店舗)やコワーキ ングスペース、熱海初のゲストハウスをオープンするなど、中心市街地再生に取り組んでいます。著書『熱海の奇跡』があります。 株式会社machimori≫

モデレータ:株式会社賑わい創研 代表取締役 松本大地(写真左):丹青社でSCや駅ビル、新業態開発に携わり、2007年㈱商い創造研究所設立。経産省研究会委員や行政アドバイザー委嘱を受け、2018年賑わい創研設立。欧米商業マーケティング研究に基づいて新聞執筆活動。著書『最高の商いをデザインする方法』があります。 株式会社賑わい創研≫

当セミナーは松本代表の質問に対してお二人が交互にお話しされる流れでしたが、お一人ずつまとめることで手法を明確に整理してみようと思います。

株式会社machimori 市来広一郎氏 talk

ポストコロナを見据えた地方活性化のキーワードは?

『「地域のため」よりも「地域を使って」何ができるか』です。

このまちなら何か面白いことができるとチャンスを感じられることがとても重要で、みなさんには「どうぞ熱海を使ってください」とお話ししています。

何かが飛び込んでくることで新しいものが生み出されると考えます。

これまでの事業を通して、地域を変革できた要因はなんでしょうか?

人がやらないことに手を出してきたことだと思います。

どうやって観光客を集めるかではなく、別荘や移住者の人々にまちのファンになっていただこうと考えました。

今後の活性化事業はどんな発想や方法で行うのでしょうか?

熱海は観光客ありき、地場産食材も少ないので稼いだお金も地域の外にだだ漏れです。なので地域の中で循環できる事業を始めたいと考えています。起業育成の一環で東京と地元のマッチングも成功しています。

地域活性化に悩む方々はどうすれば突破口を開けるのでしょうか?

小さくてもアクションを起こす人がいるかどうかが決定的なポイントだと考えています。地方は保守的になりがちですが、そこを率先して突破しようとする人の存在は重要です。地域の変革をするには、どんなことを言われてもいいというマインドを持った人が必要。そして誰かが始めれば他の人も動きやすくなる。プレイヤーが続出していきます。

株式会社オガール 代表取締役 岡崎正信氏 talk

ポストコロナを見据えた地方活性化のキーワードは?

『ソーシャルディスタンス(社会的距離)』です。

距離をとるというと「分断」ですが、社会的距離は「個々の考え方や暮らし方を尊重し合うこと」だと解釈しています。個々を重んじる社会であり、公共空間・まちづくりに大切なことだと考えています。

これまでの事業を通して、地域を変革できた要因はなんでしょうか?

仕事をするうえで大切にしていることが3つあります。

「欲張らない」余力を持つ、「自ら変化する」真の変革、「おいしいものとワインを力一杯楽しむ」地域の価値を落とし込むテロワール、ですね。

今後の活性化事業はどんな発想や方法で行うのでしょうか?

つくってから売るのではなく、売ってからつくるのが私のやり方です。

そして発想を持った若い人材育成が必要なので経営教育ベースの学校をつくりたいと思っています。

地域活性化に悩む方々はどうすれば突破口を開けるのでしょうか?

やはり営業です。「営業は足で稼げ」は今も多分変わらないと思います。出向いて友だちをつくり、一緒に遊ぶことです。

それから“みんな”を気にしすぎるのはやめましょう。市場が評価してくれます。

以上、ゲストお二人のセミナーポイント紹介でした。

モデレータを務めた 賑わい創研 松本代表も一番目の質問について話しました。

ポストコロナを見据えた地方活性化のキーワードは?

『人と人が心地よく交わるまちの居場所』です。

人間関係が良好な地域はコミュニケーションが活発で、支え合って課題を解決することも多く、居心地のよい公共空間ができます。するとまちに親しみが湧いて、よりよくしたいという気持ちが生まれます。

…松本代表からのメッセージをお伝えして、『第4回 NIGIWAI LABO Webセミナー』ダイジェスト紹介を終わりたいと思います。

セミナーに参加して…

今日のお話しを、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」の視点でまとめましたが、目標11に限らず他の目標へつながっていく内容もあると思います。主体となる太い幹から芽を出した枝にも目を向けて、いろいろ発想したら取り組みはきっと無限大。では私自身は種まきから、今日の名言を胸に「住んでいる場所」「地元」のことを考えていこうと思います。